Sensing & Design Lab.

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
センシング・デザインラボ(神武研究室)

Keio Meet the Future Project(KITE Project) SENSING & DESIGN LAB. SPECIAL SITE 神武研から理解するSDMとその社会活用

Sensing & Design Lab.

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プロジェクト名称

カンボジア農業クレジットリスク分析プロジェクト

概要

アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)の集計よると、小規模農家の資金需要に対して4,300米ドルの不足が発生していると言われています。この資金不足の一因としては、金融排除(financial exclusion)という言葉で知られている、公式の金融サービスに対しての小規模農家のような社会層のアクセスが制限されていることがあります。金融排除は安全で信頼のおける金融サービスへのアクセスの欠如として知られ、多くの農村部の農家において見られる、教育水準の低さや資金不足などといった要因が関係し、借用履歴の欠如や不足といった結果につながります。さらに借用履歴は金融機関において資金を必要とする農家に対する貸付のリスクを評価する際に必要となることから、借用履歴を保有しない農村部の農家にとって金融機関から貸付を得ることが困難になり、このことが、資金不足による農業への投入資源の不足、低収入につながるといった悪循環をもたらします。したがって、借用履歴がない場合にも、農家への貸付を可能とするリスク評価(クレジットリスク分析)のための新しいシステムを構築することは小規模農家に対しての資金の循環を促すために重要な課題です。私たちは、カンボジア農村部において、携帯電話を介して農家から収集したデータや地理空間情報や衛星リモートセンシングといった様々なデータを駆使し、農村部の農家への貸付を計画する金融機関の貸付判断を支援するためのリスク評価モデルを構築しました。進めるにあたっては、現地の実地調査を行い、現地関係者(金融機関や農家)の要求や得られるデータの信頼性について評価を行い、提案するシステムの妥当性も併せて評価しています。また、プロジェクトの中ではクレジットリスク分析モデルの構築にとどまらず、算出されたリスクをユーザーに分かりやすく提示するためのユーザーインターフェースの設計といった、実装を目指したシステム設計も視野に入れ取り組みを行っています。

実施地域:

Shem reap, Cambodia 日吉, 日本

研究パートナー:

Agribuddy https://www.agribuddy.com/

プログラム:

-

研究成果:

Naomi Simumba, Suguru Okami,Naohiko Kohtake,Credit decision tool using mobile application data for microfinance in agriculture, 2017 IEEE International Conference on Big Data (Big Data), 2017, DOI: 10.1109/BigData.2017.8258519.