SPEAKER INTERVIEW|スピーカーインタビュー

スピーカー

第10回(🇳🇱オランダ)
「緑の眼の会社員~オランダで学び、日本で働き、ヨーロッパ代表で宇宙開発に取り組む私~」
バウスト ペーター(Peter Buist) 先生
欧州連合宇宙計画局(EUSPA)ガリレオ・リファレンスセンター長/慶應義塾大学海外副指導教授
インタビュアー:近藤由衣子(慶應SDM修士課程修了/元薬局薬剤師)

世界で様々な面白いことに取り組んでいる方と出会い、ワクワクする未来と出会うきっかけをつくるKITE Global Project。第10回のスピーカーは、ヨーロッパの人工衛星のひとつであるガリレオ(ヨーロッパ版のGPS)が正しく動作しているかを地球から管理することなどに従事され、世界的に活躍されているバウスト・ペーター先生です。

ペーター先生は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)の学生の研究指導をするなど、慶應義塾大学海外副指導教授としても活動されています。今回は、ペーター先生と同じくオランダ在住で、南アフリカ出身の夫と、息子と娘の子育てに奮闘する、私、近藤がインタビューを行いました。

6歳からオランダの人気スポーツである柔道を始め、武道を通じて日本文化に興味を持ち始めたペーター先生は、16歳の頃に欧州宇宙機関(ESA)が主催したエッセイコンテストに応募したことがきっかけで宇宙や天体に関心を持ったそうです。コンテストの結果、ESAの技術センターである欧州宇宙技術研究センター(ESTEC)に招待され、ESTECを見学して「将来は宇宙業界で働きたい!」と思い、その可能性を広げるために大学進学を目指し、勉学に没頭されました。

そして、航空宇宙分野で世界トップ校として知られるデルフト工科大学(オランダ)に進学し、在学中は航空宇宙工学クラブの幹部を務め、その活動に打ち込んだそうです。そして、航空宇宙工学分野で先進国の一つである日本のインターンシッププログラムに参加し、株式会社東芝に勤務されたそうです。大学卒業後も再度来日され、東芝で宇宙用GPS受信機の開発に携わり、その時に、宇宙開発事業団(現JAXA)に勤務していた神武先生と、H-IIAロケット開発でご一緒されたそうです。

日本で7年間会社員を経験した後、デルフト工科大学やオランダ航空宇宙研究所(NLR)で研究に取り組まれ、2014年からチェコ共和国の欧州連合宇宙計画庁(EUSPA)本部でオランダのガリレオ・リファレンスセンターの設立に携わり、2017年にセンターが設立された後はそこに移り、現在はガリレオなどの衛星測位システムのシステムデザインなどに従事されています。また、二段を取得した柔道指導者でもあるペーター先生は、東芝で勤務していた時、社内の柔道クラブメンバーと休憩時間に柔道をするほど柔道が好きで、現在もオランダや日本で柔道の指導にも関わられています。

●欧州宇宙機関(ESA)が25周年を記念して主催したエッセイコンテストの授賞式
(写真はペーター先生提供)

●大学の航空宇宙工学クラブで、中国とロシアの航空宇宙企業を見学しているペーター先生
(写真はペーター先生提供)

学生時代に自分のやりたいことに出会い、その夢を実現したペーター先生。当時の様子を楽しそうに語るペーター先生の熱意を、ウェビナーを通じて、より多くの方に届けたいと思いました。

当日は、柔道を始めた子どもの頃のことや、宇宙や天体に興味を持った学生時代、日本での会社員を経験して、学生時代に憧れた環境で宇宙開発に取り組む現在に至るまで、これまでの道のりをお話頂きます。ウェビナーでは、みなさんからの質問にもお答え頂きます。是非、楽しみにして下さい!