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【5期】2014年春修士課程修了

岩谷 真里奈

いわたに まりな

多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、社会課題を解決するサービスづくりをしたいと考え、慶應SDM修士課程に入学、修了。現在は子育てをしながら、株式会社ZENKIGENにてUXデザイナーとして新規事業開発に携わっている。

研究タイトル

「ワークショップにおける イメージプロトタイピングへの参加を促すための手法の設計と評価」

研究の概要

ワークショップやデザイン思考など、複数人で創造活動を行う「共創」の場において、イラストなどを用いて視覚的にイメージを共有することが有効であるとされている。絵を描くことに苦手意識を感じている人でも共創活動の中での「イメージプロトタイピング」に参加できるようにするため「イメージシール」を作成し、ツールの有効性を確認した。

SDM的ポイント

様々なワークショップなどの共創活動の場に参加し、実際に自分で見たこと聞いたことから課題とニーズを導き出した。SDMでは様々なプロジェクトへ参加する機会があり、実践的な研究を行うことができた。これまで共創の場におけるビジュアライゼーションの有効性は証明されてきたが、それらは専門職に任されており、専門的にビジュアライゼーションを学んでいない人たちへのサポートに焦点を当てたものはなかった。その必要性に気づき、実際に現場での有効性を確認することができたのは、実践的な研究を行うことができるSDMで研究ができたからこそである。

この研究への神武先生のコメント

ワークショップにおいては、言語のみのディスカッションではなく、イラストなどを用いてイメージを視覚化するイメージプロトタイピングを行うことで参加者の思考や議論を促進することができる。しかし、そのイメージを視覚化することについて、表現力に個人差があることや制作の困難さが課題となっている。それに対して、この研究では、個人差や制作の困難さを軽減するために予め用意したイメージシールを組み合わせ、それに表情や動きを書き足していくことで参加者が容易にイメージを視覚化できる手法を設計した。そして、その手法のプロトタイプを実際の企業のワークショップに適用し、その効果を成果物やプロセス、そして参加者へのインタビューやアンケートで評価し、有効性を確認した。学部時代は絵を描いたりものを創り上げる「デザイン」を専門としていた本人が、考え方やプロセスに関する「デザイン」をSDMで学び、最初はその違いに苦労していたが、最終的には優秀賞を受賞するほどの研究成果をあげた。専門領域を大きく広げ、深めた一人である。

慶應SDMで学んだことが
今の自分にどう役立っているか

大学院で実践を通して学んだシステム思考×デザイン思考の様々な手法は、現在従事しているサービスデザインの業務でも大いに役立っています。また、これまで直感的に行ってきたサービスデザインというものを体系的に理解することができ、論文を書くという経験により、論理的に整理する力も身につきました。そして何より、SDMで共に学んだ仲間たちや神武研究室の先輩や後輩から今でも多くのことを学ばせていただいています。SDMを通じて知り合った方々は、私の人生でかけがえのない財産です。

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