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OB/OGのご紹介

【5期】2014年春修士課程修了(システムエンジニアリング学)

平田 大輔

ひらた だいすけ

宇宙業界にて人工衛星管制のフライトディレクタや新規衛星運用プロジェクトマネジメント業務に20年間携わる。その途中SDM修士課程に入学。修了後はSDMの学びを活かし宇宙データを活用した新規ビジネス開発(スペースインテリジェンス)、宇宙ごみを除去する社内スタートアップ等のプロジェクトに参画。内閣府プロジェクトでは神武研究室と連携し社会課題解決に向けた実証も実施。会社員の傍ら理化学研究所客員研究員も兼務。

研究タイトル

「測位衛星を用いた防災情報配信システムにおける相互運用性向上のための設計と評価」

研究の概要

災害時には停電や地上のインフラが被災することにより通信が途絶する“情報空白”が生じ、適切な避難ができず犠牲となった事例がある。いつ起こるかわからない災害時に情報を受け取るためには平時から利用しているスマートフォン端末が適している。そこでGPSをはじめとする測位衛星から放送される内容に災害を知らせる信号を付加すれば、各個人の位置情報と併せて適切な避難を支援することが出来るようになる。本研究では国内海外問わず運用可能なシステムを設計・提案し評価した。

SDM的ポイント

本研究では日本のみならず、欧州や米国、インドなどがそれぞれ自国とその周辺のために整備を進めている衛星測位システムを利用した防災情報配信プラットフォームにおいて、相互運用性を確保することにより、地球上の広範囲をカバーするシステムを実現することを目的とした。特に日本と同様に自然災害リスクに晒されており防災システム整備の望まれている東南アジア地域におけるシステム成立性について技術的観点から明らかにした。

慶應SDMで学んだことが
今の自分にどう役立っているか

研究においては自分の専門性である「宇宙」の知識を駆使しながらシステムを設計・評価したが、単に技術的な視点だけではなく社会実装を目的としてシステムデザインを行った。各国の運用する側や情報配信側、そして情報を受信するユーザの関係性も考慮した将来ビジョン(To Be)を描いて研究を実施することは企業においてもなかなか経験できないことであり、物事を俯瞰して考える良い機会となった。
「課題はあるのにどうして解決していないのか?」ステークホルダの関係性から考えることは無限の解空間から新規ビジネスを設計・開発する場合においても必要なことであり、慶應SDMで身につけた様々なデザイン思考の手法、システムズエンジニアリングの設計・検証のプロセスと併せて業務の役に立っている。

近況報告

多視点で物事を俯瞰して考えることができるようになったことで、様々な業界の方との対話の機会を通じて新たな気づきを得られるようになりました。会話の相手からも「新たな視点からの意見を得られました!」と言われることも多くなりました。
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